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ブランド関連法改正の注目点

ブランド関連法改正の注目点

6月14日に公布された不正競争防止法・商標法等の改正が、デジタル・グローバルに対応する知財制度見直しを行なっており、ブランド・マーケティング業界においてかなりインパクトが大きいので共有しておきます。

⚫︎名前での商標登録要件の緩和

今まで日本では、名前を使ったブランド名称の商標登録が原則的にできなかったのですが(ヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTOのような氏名は原則拒絶で、同姓同名者全員の承諾が必要・ただし固有性のあるロゴなどは可能)、今後は著名な同姓同名がいない場合について、他人の承諾なく商標登録が可能になる方針に変更されました。

ファッションブランドはデザイナー名のブランドが多く、さらにこれからは個人のクリエイターがブランド作りの主役になっていく時代であることからも、世界標準に対応するなかなか大きな影響のある改正です。

⚫︎デジタル空間における模倣行為の防止

法整備が遅れていましたが、こちらも正式にデジタルでの模倣行為がリアル同様に差止請求権などを行使できるように。NFTアート/ファッションやアバターが身につける服やアクセサリー取引など、デジタル空間でのブランドビジネスが盛んになる中、著作権や意匠権などの保護が本格的に強化される動き。

⚫︎ステマ防止法規制

またご存知の方も多いと思いますが、10月1日からは景品表示法第5条第3号のステマ(ステルスマーケティング)防止の法規制が改正施行され、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すステマの範囲が、明確に定義され違法行為として規制されます。

企業の関係者が第三者を装って投稿したり、対価を受けた第三者が広告と示さずに投稿することなどが規制の対象に。また、自社商品の高評価依頼だけでなく、他社製品の低評価を依頼することも違反。違反すると、措置命令などの行政処分の対象になります。

市場急成長とともにSNSやAmazon、レビューサイトで違法行為の日常化する、インフルエンサーマーケティングの規制が日本でもようやく形に。今後AIによるステマ生成などの問題が現実化してくると思いますが、関係者の方のご参考に共有まで。